不動産投資と聞くと、「お金がかかりそう」「失敗したら大変そう」というイメージはありませんか?
ところが実際には、正しい知識と準備があれば少額からでもスタートでき、安定した家賃収入や資産形成につなげられる魅力的な投資方法です。しかし、初心者が本格的に調べようとすると、専門用語や公的制度、融資の仕組みなど、分からないことが山ほど出てくるのも事実。
そんなときに頼りになるのが、重吉 勉(しげよし つとむ)氏の新著『不動産投資が気になったら、はじめに読む本』です。
本書は、未経験者や初心者投資家に向けて、不動産投資の基礎から実践までを分かりやすく解説しており、忙しい現代人でもスキマ時間で読み進められるのが大きな特徴。
ここでは、本書の概要や特徴、感想を交えながら、不動産投資の魅力をたっぷりとお伝えします。
タイトル | 不動産投資が気になったらはじめに読む本 |
著者 | 重吉 勉 |
出版社 | 金風舎 |
出版年 | 2021年 |
概要
『不動産投資が気になったら、はじめに読む本』は、そのタイトル通り「不動産投資に興味はあるけど、どこから手をつければいいのか分からない……」という方に向けた入門書です。
具体的には、以下のポイントを軸に展開されています。
- 不動産投資の基礎知識
- 不動産投資のメリット・デメリット
- なぜ株式投資やFXと異なり、融資を活用できるのか
- キャッシュフローや利回りといった指標の読み解き方
- 物件選びのコツやローンの仕組み
- 物件調査のチェックポイント
- 戸建て・マンション・アパートそれぞれの特徴
- 金融機関との交渉やローン審査の基準
- 運営・管理の方法
- 管理会社の選び方や賃貸契約の実務
- 空室対策や修繕費用の見積もり方
- 不測の事態への備え(保険の活用など)
- 著者の実体験を踏まえたポイント
- 実際の成功事例や失敗事例
- 初心者が見落としがちなリスクと注意点
- 実務でつまずきやすいポイントの解説
こうした幅広いトピックが、専門用語をなるべく噛み砕いて説明されているのが特徴。
さらに、「最初は少額でいいので試してみる」「必ず複数の業者に相談する」といった具体的な行動指針も整理されており、読後にすぐ行動に移しやすい構成になっています。
特徴と魅力
多くの不動産投資関連本は、ある程度投資経験のある人や、すでに専門用語を理解している人向けに書かれている場合があります。しかし、本書はあくまでも「初心者が最初に読む本」。
そのため、以下の点が大きな魅力です。
- 初心者目線の丁寧な解説
不動産投資の基本用語をゼロから学べるので、初めて触れる人でも混乱しにくい構成です。特に利回りやキャッシュフロー、自己資金の考え方など、独学だと意外に理解が難しい概念を、図解やたとえ話でスムーズに学べます。 - 具体的な事例の紹介
中級者以上向けの書籍は、どうしても専門的な統計データや複雑なテクニックに偏りがち。しかし本書は、著者が実際に体験した物件取得や、管理上のトラブル事例が豊富に載っており、ネットには載りにくい生の知見が手に入ります。また、想定利回りの計算例や融資額の設定など、具体的な数値が示されているのも役立ちます。 - 短時間で読める構成
各章が短めのセクションに分かれているので、忙しい会社員や子育て世代の方でも時間を見つけてスキマ読みが可能です。さらに、要点が箇条書きでまとめられるなど、無理なく理解を進められるようにデザインされています。 - 今どきの環境・制度に対応した情報
不動産投資は、金利、社会情勢、法律の改正などによって状況が年々変わります。本書は2022年に出版されたため、近年の住宅ローンや銀行融資の環境、最新の制度を踏まえた記述がなされており、過去の情報で混乱することも少ないでしょう。
感想と評価
本書を読んでまず感じるのは、その「とっつきやすさ」です。
不動産投資と聞くと難しそうなイメージが先行する方も多いと思いますが、著者の語り口は平易で、専門用語の注釈や図表が充実しているため、「自分にもできそうだ」と前向きになれる点が印象的でした。
特に、これまで投資全般に踏み出せなかった方や、株式投資・FXで思わしい成果が出ず、不動産投資に興味を持ち始めた方には強くおすすめできます。
一方で、ある程度不動産投資の基礎知識を持っている方や、中級~上級の投資家にとっては、本書の内容はやや物足りないと感じるかもしれません。
より詳しいスキームや節税策、複雑なローンの組み方などを知りたい場合は、別の専門的な本を深掘りしていく必要があるでしょう。
とはいえ、実践に役立つ基礎をしっかり身につけるという点では、本書は最適な入門書と言えます。
読むべき理由
- 投資初心者でもスタートできる自信がつく
難解なイメージの強い不動産投資をイチから学べるため、「自分にもできるかも!」という実感を得られます。将来の資産形成や家族の生活を考える上で、不動産投資の可能性を知っておくことは大きなメリットになるでしょう。 - 具体的な行動プランが得られる
「どの地域の物件を探すか」「融資はどの銀行に当たるか」「管理は自主管理か管理会社か」など、検討すべき事項が非常に具体的に挙げられています。これらの項目を一つずつチェックすることで、行動に落とし込みやすくなります。 - 初心者が陥りやすいリスクを回避できる
常に稼働率100%という物件はありえず、修繕費用や空室リスクなどのトラブルは必ず起こり得ます。本書ではそうしたリスクもきちんと解説しているため、「思っていた話と違う!」と後悔するのを未然に防げるでしょう。 - 実例を通して理解が深まる
著者の成功事例・失敗事例を通じて、不動産投資のリアルが見えてきます。とくに失敗事例は学びの宝庫であり、何をどうチェックすべきかを具体的にイメージしやすい点でも大きな価値があります。
まとめ
『不動産投資が気になったら、はじめに読む本』は、不動産投資をこれから始めたいという方にぴったりの入門書です。
投資の基本知識から物件選び、ローンの仕組み、管理・運営の実務に至るまで、ワンストップで情報を得られるのが最大の魅力。利回りやキャッシュフローといった投資初心者がつまずきやすいポイントも丁寧にカバーされており、「手を動かして学ぶ」ための道筋がしっかりと整えられています。
さらに、最新の社会情勢や制度に沿った解説、そして著者自身の経験談が学びやすさを後押し。
不動産投資のリスクとリターンを正しく理解し、自分に合った投資スタイルを探るうえでも、本書は心強いガイドブックになるでしょう。興味を持ったら、まずはこの一冊を手にとってみてはいかがでしょうか。
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