はじめに
不動産投資を始めるうえで、最も重要な指標の一つが「利回り」です。利回りを正しく理解していないと、収益性の低い物件を選んでしまったり、思ったように利益が出なかったりするリスクがあります。
しかし、初心者の方の中には、

そもそも利回りって何?

どのくらいの利回りなら良いの?

表面利回りと実質利回りってどう違うの?
といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
本記事では、不動産投資の初心者向けに「利回りとは何か?」を分かりやすく解説します。
さらに、表面利回りと実質利回りの違いや、初心者が気をつけるべきポイントについても説明するので、この記事を読めば「利回りをしっかり理解して、不動産投資の第一歩を踏み出せる」ようになるはずです!
それでは、まず「利回りとは何か?」を詳しく見ていきましょう。
そもそも「利回り」とは?
不動産投資における「利回り」とは、投資した金額に対してどれだけの収益が得られるかを示す指標です。
投資のパフォーマンスを測る基本的な数値であり、物件の収益性を比較する際に役立ちます。
例えば、「利回り5%」の物件がある場合、1000万円を投資すると、年間で50万円の収益(家賃収入など)が見込めることを意味します。(実際には運営コストがかかるため、手取りは異なります)

なぜ利回りが重要なのか?
- 利回りを把握することで、次のようなメリットがあります。
- 収益性を比較できる:複数の物件を検討する際、どちらがより収益性が高いかを判断しやすくなる。
- 投資効率を把握できる:自己資金をどの物件にどれくらい投じるべきかを考える参考になる。
- リスク管理ができる:利回りが高すぎる物件にはリスクが潜んでいることもあり、判断材料になる。
しかし、単純に「利回りが高ければ良い」というわけではありません。
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があり、正しく理解することが重要です。
次の章では、この2つの違いについて詳しく見ていきましょう。
表面利回りと実質利回りの違い
不動産投資の利回りには、大きく分けて 「表面利回り」 と 「実質利回り」 の2種類があります。
これらの違いを理解しないと、思ったよりも収益が出ないといった失敗につながることもあるため、しっかり押さえておきましょう。
表面利回りとは?(グロス利回り)
表面利回り(Gross Yield)は、購入価格に対する年間の家賃収入の割合を示します。計算式は以下のとおりです。

例をあげます♪
物件価格:1000万円
月々の家賃収入:5万円(年間60万円)
表面利回り =(60万円 ÷ 1000万円)×100 = 6.0%
メリット: 計算が簡単で、物件ごとの収益性をざっくり比較しやすい。
デメリット: 実際のコスト(管理費、修繕費、固定資産税など)が考慮されていないため、実際の手残りとは異なる。
実質利回りとは?(ネット利回り)
実質利回り(Net Yield)は、年間の家賃収入から経費を引いた後の収益を考慮した利回りです。よりリアルな収益性を知るためには、表面利回りよりもこちらを重視すべきです。

例です♪
物件価格:1000万円
月々の家賃収入:5万円(年間60万円)
年間の経費(管理費・固定資産税・修繕費など):10万円
実質利回り =(60万円 - 10万円)÷ 1000万円 ×100 = 5.0%
メリット: 実際に手元に残る収益を正しく把握できる。
デメリット: 経費の計算が必要なため、表面利回りよりも少し手間がかかる。
表面利回りと実質利回り、どちらを重視すべき?
初心者の方は、つい表面利回りだけを見て「高利回りの物件だ!」と判断しがちですが、実際の収益性を考えるなら実質利回りを重視するべきです。
例えば、表面利回りが8%でも、管理費や修繕費が多くかかる物件では実質利回りが4%程度に落ちることもあります。つまり、表面利回りだけで判断すると、思ったよりも収益が少ないという失敗につながる可能性があるのです。
次の章では、初心者が利回りを判断する際の注意点について詳しく解説します。
初心者が注意すべきポイント
利回りを理解したら、次に大切なのは 「利回りだけで投資判断をしないこと」 です。
不動産投資では、利回り以外にも重要な要素があり、それらを考慮せずに物件を選ぶと 「思ったより利益が出なかった…」 という失敗につながる可能性があります。
ここでは、初心者が特に注意すべきポイントを解説します。
高利回りの物件にはリスクが潜んでいる
「利回り10%以上!」というような高利回りの物件を見つけると、つい魅力的に感じてしまいます。しかし、利回りが高すぎる物件にはリスクがあることが多い ため、注意が必要です。

高利回り物件にありがちなリスクとは!?
- 空室リスクが高い → 人口が減少しているエリアや、需要の少ない物件は入居者がつかず、想定した家賃収入を得られない可能性がある。
- 築年数が古い → 古い物件ほど修繕費がかさみ、実質利回りが下がる。
- 立地が悪い → 駅から遠い、周辺に生活インフラが整っていないなどの理由で、入居者がつきにくい。

対策は、利回りだけで判断せず、物件の立地や築年数、周辺環境をしっかり確認することが大切!
実質利回りを計算しないと手残りが減る
表面利回りだけを見て投資を決めると、実際の手取り額が思ったより少なかった… という事態に陥ることがあります。
見落としがちな経費
管理費・修繕積立金(マンションの場合)
固定資産税・都市計画税
火災保険・地震保険
空室時の損失(空室期間も家賃は発生しないが、経費はかかる)

対策は、実質利回りを計算し、経費を考慮した上で投資判断をすること!
購入価格だけでなく「出口戦略」も考える
不動産投資は「買って終わり」ではありません。将来的に物件を売却する際に、適正な価格で売れるかどうか も考慮する必要があります。
失敗しやすいポイントは!
- 需要のないエリアの物件を買う → 売るときに買い手がつかず、思ったよりも安い価格でしか売却できない。
- 築年数が古すぎる物件を購入する → 将来的に資産価値がほぼゼロになる可能性がある。

対策として、「売却しやすい物件か?」という視点を持ち、将来の出口戦略も考える!
利回りだけでなく総合的に判断しよう!
- 高利回り物件にはリスクが潜んでいる
- 表面利回りではなく、実質利回りを重視する
- 購入後の運用コストや出口戦略まで考える
利回りは不動産投資を判断する上で重要な指標ですが、これだけで決めるのは危険 です。さまざまなリスクを考慮し、総合的に判断することで、成功する可能性を高めることができます。
まとめ
不動産投資を成功させるためには、「利回り」を正しく理解し、利回りだけにとらわれず総合的に判断することが大切です。本記事のポイントを振り返ってみましょう。
利回りとは?
- 投資した金額に対して得られる収益の割合を示す指標。
- 収益性を判断するための重要な基準。
表面利回りと実質利回りの違い
- 表面利回り:年間家賃収入を物件価格で割ったシンプルな計算。経費は考慮されていない。
- 実質利回り:家賃収入から経費を引いた後の利益をもとに計算する、より現実的な指標。
初心者が注意すべきポイント
- 高利回りの物件にはリスクがある(空室リスク・修繕費・立地の悪さなど)。
- 表面利回りだけで判断せず、実質利回りを計算する。
- 将来的に売却できるかどうか『出口戦略』も考えて物件を選ぶ。
利回りの計算をしっかり行い、リスクを理解した上で投資を判断することが、不動産投資の成功への第一歩です!

これから不動産投資を始める方は、ぜひ本記事を参考にしながら、自分に合った投資プランを考えてみてください。
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